岡山市の西部、吉備(きび)の中山のふもとに鎮座する吉備津(きびつ)神社。この地に伝わる温羅(うら)伝説——鬼とされた温羅を、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が退治したという物語は、桃太郎の鬼退治のもとになったとも言われています。長い歴史を持つ格式高い神社で、岡山を代表する古社のひとつです。
見どころは、まず国宝に指定されている本殿と拝殿。「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」と呼ばれる独特の大きな屋根は、ほかではあまり見られない堂々とした姿です。そしてもうひとつが、ゆるやかにうねりながら長く続く廻廊(かいろう)。木造の回廊が地形に沿って延びていく光景は、写真に収めたくなる美しさで、この神社の象徴となっています。
わが家が訪れたとき、いちばん子どもが夢中になったのは、やっぱり長い廻廊。板張りの床を「どこまで続くの?」と言いながら歩き、途中でふり返るとうねる屋根がずっと奥まで延びていて、まるで物語の中に迷い込んだようでした。桃太郎のふるさとに立っていると思うと、昔話がぐっと身近に感じられます。
長い廻廊の写真見どころ
国宝の本殿・拝殿
「比翼入母屋造」という独特の様式を持つ、堂々とした本殿と拝殿。国宝に指定された貴重な建築で、その大きな屋根はほかではなかなか見られない姿です。
うねる廻廊
地形に沿ってゆるやかにうねりながら長く続く木造の廻廊は、この神社の象徴。歩くこと自体が楽しく、写真映えするスポットとしても人気です。
温羅伝説ゆかりの社
桃太郎の鬼退治のもとになったと伝わる温羅(うら)伝説の舞台。温羅が投げた岩が落ちた場所という言い伝えが残る「矢喰宮(矢喰岩)」、鯉に姿を変えた温羅をこの場所で捕食した伝説がある「鯉喰神社」も、あわせて巡ると物語の世界がより立体的に感じられます。
音で吉凶を占う「鳴釜神事」
境内の御釜殿(おかまでん)では、釜を炊いたときに鳴る音の大小で吉凶を占う「鳴釜神事(なるかましんじ)」が伝えられています。上田秋成の怪異譚『雨月物語』「吉備津の釜」の舞台としても知られる、独特の空気に包まれた場所。ゴーッと響く釜の音は、子どもにとっても忘れられない不思議な体験になります。






















家族で行くときのメモ
参拝と廻廊さんぽで1時間ほど。境内には石段や坂もありますが、廻廊は屋根付きで歩きやすく、雨の日でも回りやすいのがうれしいところ。すぐ近くには、同じ吉備津彦命をまつる吉備津彦神社もあり、「桃太郎ゆかりの二社めぐり」もおすすめです。
吉備路(きびじ)一帯は、田園の中に備中国分寺の五重塔や古墳が点在する、のどかなサイクリングエリア。レンタサイクルで神社と史跡をつないで走れば、桃太郎の物語と古代吉備の歴史を、家族でまるごと楽しめます。
アクセス
所在地:〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931(Tel. 086-287-4111)
営業時間:境内拝観自由(受付所 8:30〜16:00)、開門5:00、閉門18:00
交通アクセス:山陽自動車道岡山ICから約20分、または岡山自動車道岡山総社ICから約15分
JR吉備津駅から徒歩約10分 駐車場:普通車400台、バス4台
矢喰宮:岡山県岡山市北区高塚(JR足守駅からタクシー約5分)/鯉喰神社:倉敷市矢部109(岡山総社ICから車で約10分)
情報確認:2026年8月 ※拝観・ご祈祷の受付時間、行事の日程などは変わることがあります。おでかけ前に、公式情報での最新のご確認をおすすめします。



