岡山市北区高松にある備中高松城跡は、戦国時代の合戦の舞台として広く知られる史跡です。天守や石垣がそびえる城ではなく、低い湿地にあった平城でした。その地形を逆手に取り、羽柴秀吉が大きな堤を築いて水を引き込み、城を水に囲んで孤立させた——いわゆる「水攻め」が行われた場所です。
激しい戦いの歴史を持つ場所ですが、今この地に立つと、そんな過去が信じられないほど静かです。城跡は公園として整備され、当時の堀の跡には池が残されています。初夏になると、その水面いっぱいに蓮(はす)の花が咲き、訪れる人の目を楽しませてくれます。
この水攻めは天正10年(1582年)、織田信長の命を受けた羽柴(豊臣)秀吉が、毛利方の清水宗治が守る高松城を攻めたときのもの。約3万の秀吉軍に対し城方は約5千。秀吉は足守川の水を引き込む長大な堤を築いて城を水没・孤立させました。開城の条件として城主・清水宗治が自刃し、これを機に秀吉は「中国大返し」で本能寺の変後の畿内へ急いだことでも知られます。忍城・太田城とならぶ「日本三大水攻め」のひとつです。堤の遺構「蛙ヶ鼻(かわずがはな)」も近くに残り、城跡には資料館が併設されています。
わが家がここを訪れて感じたのは、歴史の“スケール”です。子どもに「このあたり一帯を、川の水でぜんぶ湖にして城を沈めたんだよ」と話すと、目の前ののどかな池と信じられない様子。教科書で名前だけ知っていた出来事が、実際に立った場所と結びつくと、歴史がぐっと現実味を帯びてきます。初夏には堀跡いっぱいに咲く蓮も見事で、静かな公園さんぽとしても気持ちのいい場所です。
堀跡の蓮の写真見どころ
水攻めの舞台となった城跡
城の遺構そのものは多く残っていませんが、案内板や資料館で当時の様子を知ることができます。地形を見ながら「なぜここで水攻めが可能だったのか」を想像するのが、この場所の楽しみ方です。
堀跡に咲く蓮
初夏(おおむね7月ごろ)には、堀の跡に蓮の花が一面に咲きます。朝のうちに花が開くため、早い時間の訪問がおすすめです。
静かな公園としての時間
広い園内は落ち着いた雰囲気で、散策やひと休みにぴったり。歴史にふれながら、のんびり過ごせます。
家族で行くときのメモ
蓮の花が目当てなら、見頃は7月ごろで、花が開くのは午前中の早い時間。朝いちばんの訪問がおすすめです。園内は平坦で広く、ベビーカーでも歩きやすいので、小さな子ども連れでもゆっくり過ごせます。併設の資料館で水攻めの経緯を知ってから園内を歩くと、「なぜここで水攻めができたのか」が体感でき、子どもの自由研究にもぴったり。すぐ近くには最上稲荷もあり、あわせて半日プランにできます。






















アクセス
所在地:岡山市北区高松(Tel. 086-287-5554/高松城址公園資料館)
営業時間:10:00〜15:00 定休日:月曜日、年末年始 料金:無料
駐車場:約30台(バス3〜5台、事前に資料館へ要確認)
アクセス:JR桃太郎線「備中高松駅」下車徒歩10分
情報確認:2026年8月 ※開園時間・資料館の情報・蓮の見頃などは変わることがあります。おでかけ前に、公式情報での最新のご確認をおすすめします。



